愛用のカジュアル革靴紹介 -J.M. WESTON#180-

私が愛用している靴の一つがJ.M. WESTONの180ローファーです。ファッション業界では名品と言われるアイテムで、時代を超えてもなお履き続けられてきたアイテムです。今回は、J.M. WESTON#180の魅力に触れながら、なぜ私が愛用するのかという点についてお話します。

●私がJ.M. WESTON#180を知ったきっかけ

ファッションはもともと好きだったのですが、20代半ばぐらいからドレスクロージングにあこがれるようになり、雑誌を読んだり、YouTubeを見たりして勉強をし始めました。様々な媒体に触れる中で一番美しい、履いてみたいと思った靴が実はJ.M. WESTONの#180ローファーでした。確か当時定価が9~10万円程度でしたが、ちょうどそのころIWCの時計を購入したり、MBAの学費を捻出したりとやりくりが大変だったので、購入は見送っていたんですよね。

そんなこんなで、結局購入したのは28歳のとき。当時銀座三越で知り合いが働いていたので、社販を使わせていただき20%OFFぐらいで1足目の黒を購入。シューツリーもつけたのでトータルでなんだかんだ10万円弱ぐらいだった気がします。

さて、ではここからJ.M. WESTONや#180について知らない方もいらっしゃると思うので、ざっくりですが説明していきましょう。

●J.M. WESTONとは

 

まず、J.M. WESTONというブランドから説明します。

J.M. WESTONはフランス・リモージュ地方を起源とするブランドです。J.M. WESTONが創業を開始した1891年、このあたりでは革なめしと革加工が盛んに行われていました。創業者の息子であるユージェーヌ氏がアメリカ靴の製造に関心を持ち、アメリカ・ボストン近郊のウエストンでグッドイヤー製法を学んだことから、ブランド名をJ.M. WESTONとします。実はアメリカにルーツがあったんですね。

●1946年に誕生した#180ローファー

1946年に誕生した#180ローファーは徐々に人気を博します。1960年代に入り、パリのシャンゼリゼ通りのドラッグストアにたむろする若者たちが、ジーンズに素足でローファーを履くスタイルが大流行し、マストアイテムとなりました。ローファーと言えば日本では学生が履くイメージをお持ちの方も多いと思いますが、あながち間違いでもありませんね。そして私もよくやるデニムに#180を合わせるスタイルも間違っていないことが分かりました。笑

●#180ローファーの魅力

ここからは魅力について3点に分けてお話していきましょう。

品と色気の漂うフォルム

狭すぎず広すぎない絶妙なバランス履き口の広さ、直方体に近いフォルムが個人的には好きで、とても美しいと感じます。履き口が広いと軽やかでカジュアルな印象になりますが、比較的紐靴に近い履き口になっています。また、他の革靴と比較するとスタンスミスタイプのスニーカーに近い形をしており、ロングノーズ(縦長)のフォーマルなドレスシューズとは一線を画す形です。

私なりに表現するのであれば、紐のないスニーカーを立体感のある革靴にしたような形であり、それ故スラックスにもカジュアルなデニムにも合わせやすいことが特徴だと思います。

上質できめ細かい革

J.M. WESTONは自社でタンナー(革工場)を抱えるブランドとして有名です。デザインがシンプルである分、革質がかなり重要になります。靴に限らず、シンプルなアイテムになればなるほど素材の高級感というのが重要です。
J.M. WESTON#180の革は実は色によって厚さや硬さが結構異なるのですが、どれも共通しているのがやはりきめ細かく、高級感を感じられるところです。特にソールを返したときの履きじわでその質の高さが分かります。自社工場なので、それぞれの靴に合った革をチョイスしているのでしょう。GOLF(モデル名)はGOLFでまた違いそうですしね。

以前はデュプイの革を使っていたようですが、デュプイがエルメスに買収された後は、オーダーでデュプイレザーを選べるようです。

 

細かく選べるサイズ

J.M. WESTON#180の素晴らしいところは縦にも横にもサイズが豊富に展開されているところ。Size(長さ)は4~10 1/2の14サイズ、Width(幅)はA~Fまで6種類あり、単純に計算すると84種類ものサイズがあるんですね。ローファーは紐で縛れませんから、甲もしくはかかとでホールドする必要があります。それ故にサイジングは非常に重要となるのです。

サイジングと言えば#180でもっとも難しいところであります(笑)

#180は革靴なので、当然使っていくうちに革は伸びてきます。足になじんで伸びきった状態でジャストフィットとなるのが理想ではありますが、そのためには最初はきつい状態のサイジングで靴を選ばねばなりません。紐もないので調整できませんからね。しかし、ここでタイトすぎるものを選ぶと、痛すぎてそもそも伸びきるところに至るまで履くことができず、靴箱で永い眠りに就かれる靴も多いようです(笑)この痛い状態を我慢してまで育て上げる行為を俗に”修行と呼びます。ドMのみがなせる業であると考えております(私のみ例外)。完璧なフィッティングはこの修行に耐えきった人のみが得ることができるのです。

しかし、個人的な意見としてはそんなにフィッティングにこだわりがない人は万力締めと言われるほどきついものを選ばずに、多少きついかなぐらいのものを選ぶのが良いと思います。しかしながら、J.M.WESTONの路面店に行くと結構きつめのフィッティングを提案され、勧められるがままに購入する方が多いようです(笑)

私のコレクション

私のコレクションは3足。1足目の黒は最初に説明した通りです。2足目は実は中古でマイサイズがたまたま出ていたので、購入し、リペアを施したブラウン。こちらに関しては別途記事を書きましょうかね。

3足目はYohei Fukudaとのコラボラインで、パティーヌ仕様のダークグリーンです。これ以上は増やすつもりはないんですが、いつの間にか増えていることもあるのが不思議です(笑)

他に特筆すべきことを思い出したら追記しますが、この辺にしておきます。

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